「ことしの100人の女性」に選出された広島県の杜氏、今田美穂さんが造った「富久長 八反草純米大吟醸 雫 『妙花風』」を飲んでみた。

飲んでみた!おすすめ日本酒レポート
「ことしの100人の女性」に選出された広島県の杜氏、今田美穂さんが造った「富久長 八反草純米大吟醸 雫 『妙花風』」を飲んでみた。
家飲み編集部

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・2020年の女性100人に唯一日本人として選出された、今田美穂さん

英国BBCが毎年選出する世界の人々に感動や影響を与えた女性100人に広島県の杜氏、今田美穂さんが選出されました。今年は日本人としてはただ一人、広島県では史上初の選出だそう。

おめでとうございます!

BBCは「かつて女性が足を踏み入れることは禁じられていた酒蔵で、伝統を引き継ぎ活躍する数少ない女性杜氏」として今田美穂さんを紹介しています。酒蔵での仕事は、冬場の寒さの厳しい中での作業が多く、原料の米を運ぶなど力仕事もあり、男性でもとても大変な仕事。そんな中で約25年も酒造りの仕事を続けています。

・今田美穂さんの造る酒への「こだわり」

一躍、時の人となった今田美穂さんはいったいどんな想いで、どんなお酒を造っているんでしょうか。

1.世界中で富久長のみが使用する酒米「八反草」

一度は途絶えてしまった幻の米、広島県産酒米のルーツの「八反草(はったんそう)」を復活し、酒造りに使用しています。最もメジャーな酒米の山田錦は日本各地で栽培されていますが、八反草は今田酒造がある広島県で栽培されています。

2.白麹を使った牡蠣に合う日本酒

広島県の牡蠣生産量は全国一位。地元の食材である牡蠣に合わせる日本酒として開発したのが「海風土(しーふーど)」です。牡蠣にレモンを絞るような、爽快な酸を持つお酒のイメージで造っているのだそう。実際に海風土を初めて飲んだ時は、とても爽やかで甘酸っぱく、今まで飲んだ日本酒のイメージががらりと変わりました。

3.伝統と最新技術を融合する

蔵に眠っていた1990年に先代杜氏が醸した大吟醸酒を使用して、全く新しいお酒を造るという試みをしています。約30年物のヴィンテージを日本酒を造る際の仕込み水の一部に使うという方法で(貴醸酒)、お酒に新たな価値を見出しています。

蔵の遺産・ヴィンテージ大吟醸酒で仕込んだ「富久長LEGACY 0 貴醸酒」

https://ienomi.tokyo/column/legacy-zoro/

「富久長 Regacy 0(レガシー ゼロ)」で贅沢な時間を。

https://ienomi.tokyo/column/regacy-0/

富久長の最高峰の酒、『妙花風』を飲んでみた

今田美穂さんは色々な視点でお酒と向き合っているんですね。本当に素敵な方だなと感じました。今田美穂さんについて少し知ったところで、本日は冨久長 八反草純米大吟醸 雫 『妙花風』を頂きます。

冷やしてグラスに注いだら、梅の実のような爽やかな果実の香りがほのかにします。口に含むと甘味と酸味の後に少しだけお米らしいふくよかな旨味が広がりました。とても上品で大事に飲みたくなります。木箱入りで見た目にも高級感がありますね。

『妙花風』は40%まで磨いた八反草を使用して醸造し、できあがったお酒は圧力をかけずに丁寧に雫を集めて瓶詰めし冷蔵庫でゆっくりと熟成させています。

まさに、最高峰の味わいです。

https://ienomi.tokyo/column/mihoimada-1/

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お酒が大好きなライター、アーティスト、編集者、イベンター、フードジャーナリスト、リカーショップスタッフなどなど、お酒を愛して止まない「イエノミスタ」が結成した「家飲み編集部」。それぞれの家飲みの風景や、お酒のセレクト、おつまりレシピなどをご紹介します!... もっとみる