世界の人々の心を動かした「ことしの女性100人」選出の今田美穂さんが造った『富久長 草 純米大吟醸 』

杜氏・今田美穂さんが「ことしの女性100人」に選出！

日本酒業界を震撼させるニュースが飛び込んできました！なんと英・BBCの世界の人々の心を動かした「ことしの女性100人」に広島県の酒蔵・今田酒造本店で杜氏を務める今田美穂さんが選出されたのです！今田酒造本店は、瀬戸内海に面した広島市安芸津町にある、1868年創業の老舗の酒蔵です。今田さんは日本で数少ない女性杜氏として長年に渡って活躍してきました。詳細は後述しますが、今田さんは幻の酒米「八反草（はったんそう）」を復活させるなど、業界でもトップレベルの革新的な造り手です！今回はそんな話題沸騰中の今田さんの『富久長（ふくちょう） 草 純米大吟醸 』を紹介していきます。

千葉麻里絵さんと夢のコラボ！

『富久長 草 純米大吟醸』はとてもオリジナリティに溢れる一本です。実はこれ、日本酒界のカリスマで、恵比寿の「GEM by moto」のオーナーである千葉麻里絵さんとのコラボ商品なのです！今田さんが出演した映画『カンパイ！日本酒に恋した女たち』の公開を記念して、共演した千葉さんが監修した限定酒となっています。日本酒の魅力を発信する千葉さんと、先進気鋭の造り手の今田さんがタッグを組んだこの一本は、まさに奇跡です。

（写真上段が今田さん、中央が千葉さん。映画は2019年に公開されました）

幻の酒米「八反草」とは！？

『富久長 草 純米大吟醸』に使用されているのは「八反草（はったんそう）」という酒米です。八反錦じゃありませんよ。「八反草」です。なにそれ？初めて聞くよ？ってなりますよね。それもそのはずです。八反草を使って造られた日本酒は世界で唯一「富久長」だけだからです！かなりの日本酒マニアの方でも知っている人は少ないのではないでしょうか。私も初耳でした。

八反草は数多くの「八反系統」の祖先となる品種です。広島県で1875年に育種されたものの、草丈が非常に高いため、栽培が困難を極めました。その結果、八反草は徐々に姿を消してしまったのです。

広島の真の地酒を造りたい。今田酒造本店のそんな想いから、広島のお米のルーツである八反草を復活させようという取り組みが始まりました。種はほとんど残っておらず、広島県農業ジーンバンクに保存されていたわずかな種籾（種子として撒く籾）を農業協同組合の協力のもと増やし、栽培に取り組みました。そして2004年から本格的な栽培がスタートしたのです。そんなとてつもない努力によって現代に蘇った八反草は、非常に強い生命力を感じさせるお米です。

香りと味わい

透き通ったレモネードのような色合い。

香りは新鮮な青リンゴ、優しいハーブ、クランベリー。グラスを近づけると奥からべっこう飴のニュアンスを感じ取れました。

口に含むと非常に柔らかく滑らかな甘みと旨味が広がります。そして非常に長い余韻。デンプン由来の力強いコクと、上品な紅茶を連想させる心地よい渋みが重なり合います。

とにかく余韻の長さと複雑さが特徴の一本でした。５℃前後に冷やした状態と常温で飲み比べてみましたが、個人的には冷やした方がよりフルーティーさが強調され好きでした。

食事と一緒に楽しむ

旨味が主体の味わいで、マイルドな甘みと渋みもあるので、色々な料理との組み合わせが広がりますね。中でもイチオシのペアリングは「野菜」です。酒米の八反「草」とかけて、今田さんは『富久長 草 純米大吟醸』を造る際に葉野菜との相性を意識したそうです。写真は今田さんと実際にサラダなどの組み合わせを試したときのもので、新鮮な野菜の食感と香りにとても合いました！ぜひトライしてみてください！

日本酒の世界に向けた発信に期待

それにしても酒蔵の杜氏が「ことしの女性100人」に選出されるなんて驚きですよね！？日本酒は「技術が8割」と言われてます。というのも、たとえどんなに高級な酒米を使っても、酒蔵の技術力がなければ美味しい日本酒は出来上がらないからです。これが日本酒とワインの大きな違いですね。今田さんは独創的なアイデアで日本酒界を席巻するとても素晴らしい造り手です！これをキッカケに日本国内はもちろん、国外においても『富久長』の魅力や、日本酒の素晴らしさが広まることに期待したいです！