梅酒の新酒!?“梅どころ”和歌山が贈る「中野梅酒 NOUVEAU 2020」

蔵元からの便り
梅酒の新酒!?“梅どころ”和歌山が贈る「中野梅酒 NOUVEAU 2020」
仲原 瑞希

中野BC株式会社

仲原 瑞希

若々しい味わいが特徴、梅酒の“NOUVEAU”
梅酒NOUVEAUとは?

ボジョレー・ヌーボーならぬ、梅酒・ヌーボー。
あまり耳にしたことのないフレーズかもしれませんが、意味はもちろん、梅酒の「新酒」です。梅酒とどう違うの?というのが一般的な反応かと思います。簡単に説明しますと、大きな違いは“出荷の時期”にあります。

梅酒は青梅が採れる6月に仕込みを行い、そこから半年の期間をかけてじっくりと抽出をした後、梅の実を取り出します。通常はそこからさらに半年以上熟成し出荷しますが、梅の実を出したタイミングで瓶詰め・出荷を行うのが梅酒の新酒、梅酒NOUVEAUです。

この企画は2011年に始まり、以降毎年12月の第1週目金曜日を解禁日とし、その年の梅ならではの味わいをお楽しみいただいております。

和歌山の酒蔵「中野BC」

中野梅酒NOUVEAUを製造する中野BCは和歌山県海南市の蔵元です。

梅酒のほかに焼酎、日本酒、リキュール、スピリッツ、クラフトジンなど和歌山県の県産素材や特産品を生かした酒類の製造を行っています。蔵には日本酒の杜氏と全国的にも珍しい梅酒杜氏がおり、漬け込みの時期には1日約5トンから最大30トンの梅の実を約1ヶ月半仕込み続け、720ml換算で約120万本分もの梅酒を生産・管理しています。

毎年違う梅の出来にあわせてベストな状態に漬け込む技術は昭和54年より40年以上地元の南高梅で梅酒造りを継続してきた中野BCの誇りです。

今注目を集めている和歌山の梅酒

和歌山といえば「梅」をイメージする方は多いかと思います。梅の生産量は日本一、中でも和歌山県産の「南高梅」は広く知られたブランドです。

そんな“梅どころ”和歌山の梅酒は2020年9月に酒類の地理的表示「GI和歌山梅酒」の指定を受けました。

地理的表示“GI(Geographical Indication)”とは、特定の産地ならではの特性を持った酒類・農産品について、その地域内で生産され、基準を満たした商品だけが名乗ることができる地域ブランドです。酒類では泡盛の「琉球」や日本酒の「灘五郷」が有名です。

リキュールとしては初めての指定となる「和歌山梅酒」は業界をはじめ、国内外から注目を集めています。

中野梅酒NOUVEAU2020の飲み方・ペアリング

さて、今年の「中野梅酒NOUVEAU2020」ですが、味わいは大変期待できる年といえます。大きな要因として、使用する南高梅の近年で一番の不作と例年より早い花の開花が挙げられます。梅の木一本あたりから採れる実が少ない上、実が木に生る期間が長くなったことから一つ一つの実にしっかりと養分が行き渡り、数は少ないものの、とても良い状態で仕入れることができました。

今年の梅の味わいがギュッと詰まった出来立ての「中野梅酒NOUVEAU」はロックではなく、まずは冷蔵庫でしっかり冷やして“そのまま”お召し上がりください。熟成する前の若々しいスッキリとした味わいと、新鮮な梅の酸味をお楽しみいただけます。また、原酒でありながら黄金色に輝く姿は、熟成前の新酒ならではの特徴です。

お食事の際はワイングラスに入れて炭酸で(1:1)割るのがおすすめです。梅の香りがふくらみ、シャンパンのようにスッキリとした味わいをお楽しみいただけます。

チーズと相性が良く、クリームチーズとレーズンを乗せたクラッカーや、ゴルゴンゾーラと蜂蜜のピザなどとのペアリングがおすすめです。クリスマスパーティーのチキンとも相性バツグンです。香り・色・味で感じる、新しい梅酒の楽しみ方を是非、家のみで試してみてはいかがでしょうか。

https://ienomi.tokyo/column/umwsyu-nouveau-20201012/

WRITERこの記事を書いた人

仲原 瑞希

中野BC株式会社

仲原 瑞希

1996年生まれ。京都産業大学文化学部国際文化学科にて日本の慣習や食文化を学び、2018年に中野BC株式会社に入社。現在は大学時代に京都で学んだ食文化の知識を生かし、首都圏地区を中心に営業活動を行う。
若い世代に日本の本当に美味しいお酒を知ってもらいたい。これが酒造業界で働く上での一番のテーマです。“本物... もっとみる