2024年12月
「ユネスコ 世界無形文化遺産」に、日本の『伝統的酒造り』が登録されました。
酒造りは世界各国で行われていますが、酒造りが無形文化遺産に登録されたのは初めてのことです。
(ベルギーのビール文化は醸造を含めたひとつの文化として登録されています)
では、日本の酒造りは、どこがどのように評価されて登録に至ったのでしょうか?
この記事では今一度、日本酒が凄いぞ!というところを簡単にご説明します。
●伝統的酒造りが登録に至った背景
日本酒の造り方は他の醸造酒と一線を画すところがあります。それは「」
1,歴史的、文化的価値
日本の酒造りはその古い歴史のみならず、地域の文化や信仰とも結びつきが深く、地域コミュニティの形成にも大きな役割を果たしていると言えます。お神酒や地鎮祭にも日本酒が用いられますね。
2,伝統的な技術の継承
日本酒の製造の基本的な構造は昔から変わらず、「杜氏制度」「寒仕込み」「生酛造り(きもとづくり)」など、昔ながらの造りも大部分で生きています。
並行複発酵、蔵付きの酵母や菌を使った発酵など、珍しい、難しい、独特の技術も発展してきました。
3,地域に根差した酒造り
テロワール、地域性に根差した酒造りも特徴です。水、米、気候で大きく左右される日本酒造りはその地域を象徴する物でもありました。灘の酒は… 能登の酒は… 土佐の酒は… 場所ごとに特色が違い、お祭りで用いられたり独特の飲み方があったりなど、特有のお酒文化も形成されています。
4,サステナブル、環境面
温度や湿度などの気候、水質、米の質や成長。これら自然環境が作り出すものに、日本酒の造りは大きく左右されます。そのため、酒造りのあり方自体も環境に溶け込んでおり、自然保護活動を行っている酒蔵さんもいらっしゃいます。
5,世界的な日本食、日本酒ブーム
世界的な日本食ブームの追い風もあり、数年前から日本酒も輸出が激増しています。
こういった日本文化への注目度も、今回の登録には追い風となりました。
●日本酒業界に影響は?
日本酒は現在、実質的に新たな製造免許を発行していません。
これは伝統文化を守るため…というよりも、日本酒需要の減少の中、新規参入により現存の酒蔵が倒産するのを防ぐため、という意味合いが大きいそうです。
無形文化遺産の登録により伝統的な酒蔵や製法を守る意識が強くなるのは良いことですが、それにより、更にルールが厳しくなり、閉鎖的な業界になってしまうのではという事も懸念されています。
一方で今回の登録により海外を中心に注目度が上がれば全体の需要は増え、新規参入のしやすい業界になるかもしれません。
今回の無形文化遺産の登録は、現在岐路にある日本酒業界にとって何らかのターニングポイントとなるかもしれませんね。
●日本酒のご紹介
折角ですので、ここではより伝統の色濃い日本酒をいくつかご紹介いたします。
純米酒は一時業界の歴史から消えかけましたが、今や一般的な日本酒とも言えます。
その歴史は古く、起源は2000年以上前とも言われています。
農口尚彦研究所は新しい蔵ですが、製造責任者である杜氏の農口尚彦さんは、16歳から酒修行に入り、90歳を過ぎた今も現役のレジェンド。
昔ながらの酒造りを肌で知っている杜氏さんのお酒は、最近流行りの味わいとは一線を画します。
藤井酒造は広島の老舗蔵であり、この「龍勢」は明治に行われた日本で初めての日本酒品評会で1位を獲った歴史的なお酒です。
「生酛造り」という、これも古くからの伝統的な製法を取っており、旨い酒が飲めます。
日本酒の古酒文化は近年のものと思われている方もいますが、実は歴史的な物で、室町時代から江戸にかけて三年酒、五年酒などと言い、熟成して美味くするお酒の概念があったそうです。
江戸までの日本酒は精米技術が未熟だったため、低精米の甘口酒が主流だったそうです。それを水で割って飲んでいたとか。
このお酒は極甘口。江戸の酒を思わせる酒質となっています。
●SakeShop海琳堂より
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