なぜ猫ラベルのお酒は多いの? 犬ラベルは少なすぎ? 調べてみた〈猫の日〉
日本酒を知ろう!エディター
家飲み編集部
お酒のラベルは多種多様で千差万別。
そこにはお酒の特徴が表現されていたり、重要なメッセージが込められていたりします。
動物をデザインしたラベルもたくさんあります。
猫、うさぎ、犬、ペンギン、シロクマなどなど、その種類も多様です。
しかし人間に愛でられる動物の二大勢力「猫」と「犬」とを比べると、ラベルに採用されている数は「猫」の方が圧倒的に多いことに驚かされます。
ということで今回は、
「どうしてお酒のラベルは猫が多いの?」
という疑問を調べてみたいと思います。
※この記事では最もシンプルで分かりやすい「猫」「犬」呼びを基本といたします
●猫の記念日
まずちょっと、記念日について。
1年間に、猫にまつわる記念日はいくつかあります。
・2月22日 猫の日
・8月8日 世界猫の日
・8月17日 黒猫感謝の日 など
対して犬にまつわる記念日はたくさんあり、記念日に関して言うと犬の圧勝です。
●本当に猫ラベルが多い?
犬よりも記念日が少ない猫。
本当に猫ラベルの商品は多いの?
ということで検証してみましょう。
通販サイトで「猫ラベル」「犬ラベル」をそれぞれ検索してみたいと思います。
・楽天
猫ラベル:434 件
犬ラベル:229 件
数字より、実際に表示された商品写真を見ると、商品点数では更に差が開いていることが確認できます。
・Yahoo!SHOP (カテゴリー [ドリンク お酒])
猫ラベル:301 件
犬ラベル:50 件
こちらも同様、犬のラベルは数字以上に少なく感じました。
実際にお酒を扱う仕事をしていても、日本酒洋酒関わらず、猫をモチーフとしたものが多いことに気づかされます。
商品ラベルでは、猫が犬を圧倒していました。
●猫ラベルが多い理由
それでは、猫ラベルが多い理由を推察しましょう。
一つには、猫の奔放で謎めいたイメージがお酒やお酒飲みの方と合致するからではないでしょうか。
漠然と、猫=自由気ままで忖度しない印象があり、リラックスしたお酒時間を表現するにはうってつけのモチーフなのかもしれません。
一方で犬のイメージは、ステレオタイプに言うと忠誠心があって真面目といった感じです。
実際に犬の方が災害救助や盲導犬、警察犬など、知能を活用する多くの仕事に関わっており、場合によってはお仕事を連想させることもあるかもしれません。
※ただし私は奔放ワンチャン系のYoutube をよく見るのでそういうイメージはありません
●昔話の中の猫
趣向を変え、昔話について考えて見みましょう。
ここでも「桃太郎」や「はなさかじいさん」など、犬は人の役に立つ忠犬として登場します。
一方の猫は「100万回生きた猫」や「長靴を履いた猫」など、海外の童話が多いせいもあるかもしれませんが、より自分のために生きる自主性を感じる物語が多いことに気づきます。
●妖怪としての猫
次に妖怪に目を向けてみましょう。
犬=狛犬、犬神など
犬っぽい特徴を持ったまま、魔に立ち向かう、もしくは災厄をもたらすイメージがあります。
猫=化け猫、猫又など
女性っぽく、妖といったイメージ。人間の言葉が話せるのも特徴です。
やはり謎めいて自主性があり、基本的に人を困らせます。
以上のように、昔から猫が持つ印象は現在とあまり変わらないのだと仮定できます。
お酒の長い歴史の中で、猫はそのイメージにマッチし、今の地位を確固たるものにしたのではないでしょうか。
●ペットとしての猫
実はイメージだけではなく体力的にも、猫の方がお酒飲みの心をつかみやすい面が。
というのも、お酒飲みにとって犬の散歩はちょっと大変。
かわいい愛犬のためとはいえ、お酒を飲んだ後の夜中、もしくは深酒してしまった翌朝に散歩するのは辛いものです。
これは早朝から働く酒蔵さんも同様で、酒蔵では犬ではなく猫を飼っている割合が高い気がします。
実際に蔵で犬を飼っている京都の白杉酒造は、敷地内にドッグランがあることで話題です。
●代表的な猫ラベルのお酒
猫ラベルの代表的なお酒をご紹介します。
・ワイン
黒猫ラベルのワインを見たことはありませんか?
これは、ドイツのモーゼル地方ツェル村に伝わるお話で「黒猫が座った樽のワインは出来が良い」という言い伝えがあるからだそうです。
・ウイスキー
マルスウイスキーのラッキーキャット。
また、ウイスキー評論家であり愛猫家の山岡秀雄氏が展開するWHISKY MEWにも猫ラベルの商品があります。
・焼酎
猫ラベルの他、招き猫ラベルも見受けられます。
七窪の「にゃにゃくぼ」は話題となりました。
・ビール
特にクラフトビールでは猫のデザインは頻繁に使われます。
お好みのデザインで選ぶもの楽しいかもしれません。
・日本酒
日本酒も猫のラベルは非常に多いです。
●まとめ
猫=直感型、自由、自主性
犬=理論型、真面目、忠誠心
このような漠然としたイメージが根付いているため、お酒のイメージにより合った猫がデザインとして採用されやすそうです。
他にも、ドイツで見られる、猫に関する伝承。また害虫・害獣の駆除役として猫が酒造りの現場で飼われてきた歴史も、猫ラベルの普及に一役買っているのかもしれませんね。
WRITERこの記事を書いた人
エディター
家飲み編集部
お酒が大好きなライター、アーティスト、編集者、イベンター、フードジャーナリスト、リカーショップスタッフなどなど、お酒を愛して止まない「イエノミスタ」が結成した「家飲み編集部」。それぞれの家飲みの風景や、お酒のセレクト、おつまりレシピなどをご紹介します!... もっとみる
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