日本酒|ひやおろしとは? おいしいのには理由がある!
日本酒を知ろう!エディター
家飲み編集部
秋の落ち着いた色調、紅葉などの秋をイメージしたデザイン、ラベルや肩ラベルに書かれた「ひやおろし」の文字…。
酒屋さんには、9月頃からこのような見た目のお酒が並び始めます。
それが秋限定のお酒「ひやおろし」です。
日本酒好きにとっては、新酒時期から待ち望んでいた季節の到来!
この時だけの特別な味わいを持ち、秋の味覚にもよく合うお酒です。
また、似た表現に「秋あがり」というものもあります。
「ひやおろし」と「秋あがり」の違いも気になるところ…。
ということで今回は気になる日本酒、「ひやおろし」について解説します!
●ひやおろしとは?
ひやおろし(冷やおろし)とは、夏の終わり~秋口に出荷される季節限定のお酒です。
製法を示した物で、商品名ではありません。
「新酒」や「しぼりたて」のような表現と同じです。
ではその「ひやおろし」がどんなものかご説明します。
日本酒は12~3月の冬場に造られることが多く、その年度のお米で同年度に出来たお酒を「新酒」と呼ばれます。
また、それを瓶詰してそのまま出荷するのが「しぼりたて」といいます。
一方で「ひやおろし」は、冬に新酒を火入れ(※)して春夏と常温で貯蔵熟成させ、そのまま瓶詰、出荷する日本酒のことを言います。
※加熱して酵母の働きを抑え菌の繁殖を防ぐ工程
なので「新酒」と「ひやおろし」では元々は同じお酒だったものが出されることもあります。
その場合春夏を越してお酒がどう変化したのかを比べてみるのも一つの楽しみです。
一方日本酒の熟成は非常に繊細なので、ひやおろし用にお酒を仕込むことも多いです。
熟成を考慮した酒質を設計する、酒蔵さんの腕を堪能することができます。
ちなみに「ひやおろし」の語源は、夏を超えたお酒を火入れ加熱せず冷や(およそ20~25度の常温)のまま卸すことから。
「「冷や」って常温のことだったんだ…」という発見もできてしまうネーミングですね。
●ひやおろしの味はどんな感じ?
新酒は、ピチピチ、荒々しいと表現されるように、搾りたてならではのフレッシュ感が魅力です。
人によっては、トゲトゲしさを感じてしまうこともあります。
一方でひやおろしは、半年以上間寝かせることで味わいが丸くなると言れています。
一般的には、アルコールの辛味が和らぎ、旨味が濃厚になる傾向があります。
また、2度目の火入れを行わないのは、熟成の風味を損なわないようにするためだそうです。
丸みを帯びた、ほどよい熟成を、味わいと風味の両面から堪能できるのが、ひやおろしの魅力です。
●「ひやおろし」と「秋あがり」
ひやおろしと同じような意味合いで「秋あがり」と言われるお酒があります。
その違いは…
①「ひやおろし」は
“新酒を火入れして寝かせ、秋に常温で卸す”
という工程のことを示しています。
②「秋あがり」は
“秋になってお酒の味が良くなった”
という現象、状態のことを示しています。
なので、例えば「ひやおろし」を出荷前に火入れした時などに「秋あがり」と表記されることが多いようです。
現在ではほとんど同じ意味で使われる「ひやおろし」「秋あがり」
ですが、どちらも美味しいことには違いないですね。
●おすすめ!ひやおろしのお酒
海琳堂通販では、全国の酒蔵からひやおろしのお酒を入荷しています。
※在庫状況により売り切れの可能性があります
2024/9/12 更新
WRITERこの記事を書いた人
エディター
家飲み編集部
お酒が大好きなライター、アーティスト、編集者、イベンター、フードジャーナリスト、リカーショップスタッフなどなど、お酒を愛して止まない「イエノミスタ」が結成した「家飲み編集部」。それぞれの家飲みの風景や、お酒のセレクト、おつまりレシピなどをご紹介します!... もっとみる
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