エディター
家飲み編集部
「日本酒は良く分からない」
酒屋のお仕事をしていると、そんな声をよく聞きます。
せっかく酒造りがユネスコの無形文化遺産に登録されたのに、この状況は勿体ないですね!
以下は『お酒は飲むけど日本酒を飲まない』方を対象に、
SNSで投票を行った結果です。
Q.日本酒に手が伸びない一番の理由って何ですか?
「難しい面もあるから奥が深い」とも言えますが、結局お酒はお酒。
美味しく飲んで、楽しく酔えればそれが正解なのかも…。
なので今回は「超超超入門編!」
皆様が日本酒に一歩踏み出せるよう、基本的なところからお教えします!
ハテナだらけになってしまいました
①日本酒ってどこで買うの?
まず、
「日本酒ってどこで買えるの?」
について。
《日本酒買える率が高いお店》
1位 酒屋
2位 スーパー
3位 コンビニ
販売スペースや品質管理を考えても、酒屋さんには上等な日本酒が置かれている確率が高いです。
しかし一方で、普段足が向きやすいのはスーパーやコンビニ。
地域によってはスーパーでも「その土地の地酒」が置いてありますので、ぜひチェックしてみてください!
また、街では「入りにくいな…」と感じてしまう酒屋さんでも、駅の商業ビルに構えているようなお店だと入りやすいと思います。
※通販を活用してみよう
通販は最も確実に目的の日本酒を探し当てることが出来ます。
できれば酒蔵や酒屋さんのオンラインショップで買って頂くと、品質管理などシッカリしていると思われます。
でも面倒だったらアマ●ンでも全然いいと思いますよ。
②日本酒っていつ飲むの?
「ビールは帰ったらまず1杯飲むんだけど、日本酒飲むタイミングって分からん」
こんな方もいるかもしれません。
日本酒は食中酒として飲まれることが多いです。
食事中で日本酒がビールより優れている点は、水分や炭酸でお腹がいっぱいにならないところです。
また、アミノ酸が多いので旨味を補完するような役割もあるとか。
飲食店でいうと「蕎麦屋」「寿司屋」「居酒屋」などで日本酒を見かけることが多いです。
その辺りのメニューとは間違いなく合うということです!
まあでも、細かいことは気にしないで、適当にお食事に合わせてみると良いでしょう。
ちなみに…
私は、夜Youtubeを見ながらお酒単体で飲むことが多いです。
単体で飲むときはぜひ水分補給を。
③どうやって飲めばいいの?
1.冷やす → 冷蔵庫へ!
2.常温 → そのまま!
3.温める → 対応の器に入れてレンジでOK!
常温で飲むくらいなら、冷えてた方が…
と思うかたもいるかもしれませんが、常温の方が優しい口当たりで、旨味を感じやすいです。ぜひお試しを。
・器に関して
お猪口を持っている方は少ないと思いますが、全然グラスでOKです◎
ワイングラスやシャンパングラスは品評会でも使われたりします。
ご家庭ならコップでも充分です!
④日本酒ってダサくない?
近年では、日本酒のラベルもオシャレな物、面白い物、かわいいものと様々あります。
ラベルのかわいいものは新商品である確率が高く、初心者にも馴染みやすい味わいであることも多いです。(あくまで確率ですが…)
ミュージシャン、俳優、アニメ、Vtuberとのコラボも多いので、色々調べてみてください☆
⑤日本酒は悪酔いする?
初めて日本酒を飲んだときに悪酔いするケースは多いです。
それはお酒の質というより、度数の高い日本酒を飲みなれておらず、飲み過ぎることが主な原因です。
特に普段ビールやレモンサワーに慣れているとやりがちですね。
日本酒はかなりちょびちょび飲んでも楽しめます。
盃やお猪口があんなに小さいのは、基本的にちょびちょび飲むお酒だから。
ウイスキーをストレートやロックで飲むくらいのイメージで飲むと、丁度良いですね。
⑥-1 どう選べばいいの?
最後に
「どう選べばいい?」
というお悩みを緩和させる情報を。
「ラベルやレビューを見ても何なのか良く分からない…」
というのが最初の印象だと思います。
なので以下では簡単に「日本酒の個性」を見てみましょう。
【甘口 / 辛口】
これは、「甘口=Sweet」か「辛口=Dry」かという問題です。
なので辛口と言っても唐辛子のように辛いわけではなく「切れ味のあるスッキリとした後味」という意味合いです。
ビールの「ドライ」と一緒ですね。
甘口の日本酒は、優しく甘い味がします。
酒屋なら「スタッフに聞く」、通販なら「情報を見る」ことでだいたい甘辛が分かります。
スーパーやコンビニでは…ラベルに記載がないと分かりにくいかもしれません。
※甘口辛口論争
一時期「日本酒を甘口辛口で語らない方が良い」という風潮がありました。
まあそれは気にしないでください。酒蔵さんも使っていますので。
【低アル? 高アル?】
日本酒のアルコール度数は低アルコールと呼ばれるものが8%くらい
高アルコールのもので20%くらいです。
「日本酒は強すぎて飲みにくい」
と感じる方は、10度以下の低アルを試してみて下さい。
「味は濃いに限る!」
というかたは、19度、20度のガツン系がオススメ。やっぱり飲みにくければ、水や炭酸で割っても全然OKです。
最初にお試しで飲む場合は、12%~15%くらいがちょうど良いと思います。
⑥-2 種類むずくない?
つづいて、
日本酒には「特定名称」という物があります。
まあそれは一旦置いといて、ラベルに書いてありがちな種類についてお教えします!
【純米?】
原料が米と米麹だけの日本酒には「純米」の文字が入ります。醸造アルコールが添加されると入りません。
醸造アルコールは別に悪いものではなく、平たく言えば「加水調整する前の甲類焼酎」です。缶チューハイなどにもよく使われています。
すっきりさせたり、香りを立たせるためなどに添加されます。
【吟醸? 大吟醸?】
お米をよく削ったら「吟醸」、よーく削ったら「大吟醸」になります。削った量は「精米歩合〇〇%」と表示され、数字が少ないほどたくさん削られています。お米を削ると華やかになり、雑味や癖が抜け飲みやすくなって行きます。
例えば「精米歩合30%の純米大吟醸」と言ったら、「スイカの中心の甘い部分だけ食べようか」というのと同じような贅沢感がありますね。
【新酒?】
日本酒は一般的に秋から冬にかけて製造されます。
「新酒」は秋に収穫した新米を使ってその年に製造し、すぐに販売される日本酒。
他は様々な方法で貯蔵されるなどします。
【生酒?】
「生」という文字が入っていたら、ほとんどの場合「加熱処理していない」お酒になります。
加熱処理は味わいを安定させる目的で行われ、「火入れ」と呼ばれます。(お酒を炎であぶるわけではないです)
生酒にもいろいろありますが、「フレッシュな味わい」と覚えておけばOKです☆
※日本酒は味が変化しやすい!
焼酎やウイスキーなどの蒸留酒と比べて、日本酒は繊細で、開戦後は特に味が変わりやすいです。そのため多くは酵母の発酵を止めるために加熱処理を施しています。
なので生酒だと、開栓してから毎日味わいの変化を感じられることもあります。
実はこれも、日本酒の楽しみ方の一つです。
【原酒?】
製造の最後に加水調整していないお酒です。そもそも製造工程で水をたくさん使うのですが、なぜかお得な気がしてしまいますね。
【無濾過?】
日本酒は、発酵でお米が溶けた状態の物(もろみ)を絞って初めて「日本酒」になります。
これを更に「濾過」すると美しい透明の日本酒になります。
無濾過の日本酒は、この「濾過」の工程を経ずに瓶詰めします。
※point
日本酒製造には「濾す(こす)」と「濾過(ろか)」が別の工程としてあります。
「濾す」は、日本酒の定義に入っており必須です。
「濾過」は、行わなくても大丈夫です。
ややこしいですね。
【にごり】
「無濾過」の説明に出てきた「もろみ」が混じっている日本酒です。
深い味わいになります。
大体の日本酒には、上記のような単語が、なにかしら含まれています。
ぜひ選ぶ際のご参考に見てみてください。
⑦では、おすすめをご紹介します
皆様が日本酒入門を終えられたところで、オススメのお酒をご紹介します。
各商品、酒屋の通販へリンクしています。
私は酒屋ですので、もちろん自分のところの商品となります!
『天美 純米吟醸』
透明感がある美味い酒「天美」
やや甘口、純米吟醸の日本酒です。
『Oh Splash』
スパークリングの日本酒「OhSplash」
低アルで甘口。見た感じ日本酒っぽくないですね。
『観音下(かながぞ)』
ガツン!旨い!コスパ!「観音下(かながそ)」
高アルで、無濾過の原酒です。
『讃岐くらうでぃ』
骨付鶏に合うらしい「讃岐くらうでぃ」
低アルのにごり酒。味は乳酸菌飲料に例えられます。
お役に立ちましたでしょうか?
それではまた。
WRITERこの記事を書いた人
エディター
家飲み編集部
お酒が大好きなライター、アーティスト、編集者、イベンター、フードジャーナリスト、リカーショップスタッフなどなど、お酒を愛して止まない「イエノミスタ」が結成した「家飲み編集部」。それぞれの家飲みの風景や、お酒のセレクト、おつまりレシピなどをご紹介します!... もっとみる
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