自由に楽しめる家飲みの魅力!
日本酒カクテル研究所和酒コーディネーター・酒サムライ
あおい 有紀
お酒はフリースタイルな飲み方で!
レストランやバルなどで、友人たちとお酒を飲みつつ過ごす時間も楽しいですが、コロナ禍を受けて家で飲む機会が以前より増えた、という方も多いのではないでしょうか。毎日の晩酌、より楽しめるコツをいくつかのカテゴリーに分けてお伝えします。
家飲みの魅力の一つは、自由な飲み方ができるところ。
例えば日本酒の場合、「今日は暑いし、すっきり爽やかなお酒が飲みたいな。でも今、家にあるのは無濾過生原酒…」という時は、氷を浮かべてロックにしたり、ソーダで割れば、アルコール度数も下がり、冷たく軽やかな味わいを楽しめます。またスイカ、桃、ブドウなど季節のフルーツ、クラッシュアイスを入れて日本酒を注ぐだけでも、飲みやすいカクテルに。ホームパーティーでのおもてなしやBBQなどのアウトドアでも注目されますよ。
また、日本酒に柑橘系やキウイ、リンゴなどのフルーツ、そしてハーブやシナモンなどお好みのスパイスを入れて一晩置けば、サングリア風の日本酒が完成!様々なアレンジで楽しめます。
お酒の温度変化を楽しむ
また、日本酒ならではの楽しみ方として、同じお酒でも温度変化によって味わいが大きく変化するので、1本でも様々な料理に合わせることができます。香りの穏やかな純米吟醸や純米酒であれば、前菜には冷酒を、メイン料理に近づくにつれて50℃~60℃と温度を上げていくことで、旨味や酸味のボリュームが増すので、肉料理や味付けの濃い料理にもピッタリ。冷蔵庫で何本も日本酒を保管するスペースがない、という場合は、一本あれば温度変化で万能な食中酒としての役割を果たしてくれますよ。
好きなおつまみと自由に合わせてみる
家飲みは、おつまみが充実しているとより楽しみが広がりますよね。例えば、仕事のある日は帰宅後にさくっと飲みたいな、でもおつまみを一から作る気力もないし…という時にお役立ちなのが、缶詰。長期保存できますし、さんまの塩麴煮や焼き鳥、カレーなど、本格的な味わいで美味しく、且つリーズナブルなおつまみ向きの缶詰が、コンビニでも手軽に購入できます。濃い目の味付けであれば、自宅にある野菜と和えてみたり、ごまを振ったり紫蘇を乗せてみたり、ちょっとアレンジを加えて好みの味わいに調整も可能。お気に入りの缶詰をいくつか常備しておいて、いざという時にささっと晩酌準備ができるのも嬉しいですね。
また、週末など時間のある時は、ちょっと雰囲気を変えて高級スーパーで生ハムやフロマージュ、燻製オリーブなどを購入し、ワンランクアップの家呑みはいかがでしょう。トリュフオイルやスパイス塩などの調味料があれば、自炊でもプロっぽい料理になり、気分も上がります!私も先日、馬刺しが手に入ったので、醤油や味噌をつけていただくだけではなく、岩塩、パルミジャーノレッジャーノ、ケッパー、トリュフオイルを使いカルパッチョを作ってみましたが、酸味のある純米吟醸との相性抜群!至福のひとときを味わえましたよ。
旬の食材を使った料理と、季節限定の日本酒を合わせることで、四季を感じながらいただくのもいいですね。春の山菜&新酒、夏野菜&夏酒、きのこ料理&ひやおろし、などこのお酒にはどんなおつまみが合うかな、と想像しながら、和食だけでなく中華や洋食など、様々な料理とも気軽に合わせてみてください。
酒器にこだわってみる
お酒を飲むとき、皆さんはどんな器を用意しますか? 陶器、ガラス、漆、錫など素材も様々あり、平盃、お猪口、グラスなど形も様々。素材、大きさ、形状がここまで幅広い酒器があるのも、日本酒くらいではないでしょうか。フルーティーで香りが華やかな大吟醸はグラスに入れることで、繊細な吟醸香をより感じることができますし、燗酒であれば平盃や陶器や錫のぐい呑みを使用することで、コックリとした米の旨味を舌全体で受け止めることができます。日本酒と産地が同じ焼き物のお猪口で合わせてみたり、お酒のタイプや温度帯に合わせて、酒器もアレンジすると楽しみも倍増!一人呑みでも酒器にちょっとこだわるだけで、贅沢な時間が過ごせますよ。
最近はオンライン飲み会で、離れていても顔を見ながらお酒を楽しむ人達が増えています。ECサイトから希望のお酒を購入すれば、重い瓶を持ち運ばずとも直接自宅に届きますし、より気軽に家呑みが楽しめる時代。ご家族や友人を招いて自宅で飲むときに、『自宅居酒屋』と称し、簡単なお酒やおつまみメニュー表を作って、そこから選んでもらう、というような試みも。
一工夫で、家飲みもぐっとランクアップしますし、その日の気分やシチュエーションに合わせて、各々楽しんでみてくださいね。
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WRITERこの記事を書いた人
和酒コーディネーター・酒サムライ
あおい 有紀
フリーアナウンサーとしてテレビ、ラジオなど各媒体で活躍する一方、日本の食や和酒の魅力発信を積極的に行い、大切さ、楽しみ方を伝えている。フィールドワークを信条とし、全国の田んぼや酒蔵に300回以上足を運ぶ。酒蔵ツアー、日本文化×日本酒のコラボイベント、様々な国籍の料理×日本酒のペアリングディナーなどの企画・主催をはじめ、... もっとみる
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