源氏物語の日本酒&リキュール『ひかる- Hikaru』 ~大河ドラマ「光る君へ」で再注目

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源氏物語の日本酒&リキュール『ひかる- Hikaru』 ~大河ドラマ「光る君へ」で再注目
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2022年10月20日、山口県の酒蔵12社が参加した大規模なプロジェクトが発表されました。
その名は『ひかる – Hikaru』

日本酒を中心とした全12商品が2022年10月26日より一斉に販売開始。
2024年の大河ドラマ「光る君へ」で、紫式部および源氏物語が採用されたことにより再注目を浴びています。


そんな、日本酒&リキュールシリーズ「ひかる」
お酒の特徴から、商品の購入方法までをご紹介します!

①「ひかる – Hikaru」とは?

ひかるシリーズは、山口県の酒蔵による大型プロジェクト。
複数の酒蔵が集まり、一つのブランドを形成します。

初回は山口県内から12もの酒蔵が集まり、個性豊かな日本酒10種と、梅酒柚子リキュールの各1本、計12本のシリーズ商品となりました。


近年は特に人気の酒蔵を輩出し、勢いのある山口県。
そのお酒を、源氏物語のように国内および世界中にまで広めようという目的で展開しています。

②山口県のお酒の特徴

最近人気の酒蔵を次々に輩出している注目の酒処、山口県。
新しくチャレンジングな蔵が人気を集める一方で、地元に根付いた200年以上の老舗蔵もたくさんあります。

山口県のお酒は「淡麗旨口」と称されることがあります。
県の3方向を海にひらかれ、有名なフグを始め、多くの新鮮な海産物
それゆえお寿司、お刺身に合う淡麗旨口で繊細な酒質の日本酒が多く、初心者の方でもすんなり受け入れられる味わいが楽しめます。

③「ひかる – Hikaru」

「ひかる」シリーズは、最古の長編小説として世界で知名度の高い「源氏物語」の主人公、「光源氏(ひかるげんじ)」から命名されました。

日本酒は古い日本の文化であり、平安時代にも造られていました。その後、鎌倉を経て室町時代に庶民にまで浸透したそうです。

アジア各国でも醸造酒は造られますが、日本酒は独自の文化として発展し、世界的にも似たものを探すのが難しいお酒です。

また日本酒の起源と言われている「口噛み酒」は奈良時代初期713年の文献に記述があり、世界最古の米原料のお酒とも言われています。

そんな日本酒文化と、こちらも世界最古の長編小説と言われている「源氏物語」のテーマを融合したのが、「ひかる」シリーズとなります。

④シリーズ商品一覧

桐壺 / 中島屋酒造場

「桐壺」は光源氏の母親。桐壺の更衣と呼ばれ、物語の最初に出てくるヒロインです。物語では「すぐれてときめきたまふ人(帝の寵愛をとても受けなさる人)」と表現されています。
日本酒愛の詰まった、旨味の多いお酒です。

藤壺 / 村重酒造

「藤壺」は光源氏のあまり歳の変わらぬ継母。光源氏は彼女に母の面影を見て、恋をします。物語では「とこしへにあらまほしき人」(永遠に理想的な人)と表現された女性です。
密度のある旨味と華やかな香りを求めたお酒です。

葵 / 阿武の鶴酒造

「葵(葵の上)」は光源氏の初めての正妻。物語中で「あてなれど こころへだつる人(高貴だが打ち解けない人)」と表現されています。冷たいように見えて愛すべき一面を持つ、人気の高い女性です。
瓶が空になると必ず恋しくなるお酒。

空蝉 / 岡崎酒造場(リキュール)

「空蝉」は光源氏のことを初めて拒否した女性。物語の中で「たおやぎてなよ竹ならむ人(柔和でなよ竹のような芯の強い人)」と表現された女性です。
繊細ながら芯の通った味わいの柚子リキュール。

夕顔 / 岩崎酒造

「夕顔」は、美しい和歌で光源氏を惹きつけた女性。物語では「らうたげにてあえかなる人」(かわいらしい様子できゃしゃな美しい人)と表現された女性です。
繊細で美しい泡立ちが印象的なお酒。

末摘花 / はつもみぢ

「末摘花」は作中に複数回登場する女性。物語において「ひなびて古めかしくのどけき人(田舎びて古風でありのんびりしている人)」と表現されます。不美人、不器用と揶揄されますが、その一途な心で幸せを掴みます。
人とのつながりに一途な酒蔵のお酒。

朧月夜 / 竹内酒造場

「朧月夜」は光源氏を夢中にさせた美女。上流階級の出で、恋に素直な姫。物語では「えんになまめきたる人」(色っぽく優美である人)と表現された女性です。
旨味とキレの魅力で人々を惑わすお酒です。

花散里 / 八千代酒造

「花散里」は、窮地にいる光源氏の癒しとなった人物。物語の中では「なつかしく心ばへの柔らかならむ人」(心ひかれる様で気立ての優しい人)と表現された女性です。
優しく寄り添う食中酒に。

玉鬘 / 山縣本店 (梅酒)

「玉鬘」は光源氏の親友の娘にして、養女。運命に翻弄されますが、結果的に幸せを手にします。物語の中で「ゆゆしくきよらかなる幸ひ人(素晴らしく美しい幸福な人)」と表現されています。
玉鬘のように美しく心奪われる梅酒。

夕霧 / 永山酒造

「夕霧」は光源氏と正妻である葵の上の息子。物語では「まめなる人」(真面目で誠実な人)と表現される人物です。源氏物語の中ではかなり真面目な男性といえます。
真っすぐ日本酒らしさを携えた、美味しいお酒。

薫 / 中村酒造

「薫」は光源氏の息子。物語では「香ぼしくおよすけたる人(香り高く老成した人)」と表現される、生まれつき良い香りのする人物で、大人びており、仏の道に精通します。
優れた吟醸香、大人びた上品さをお楽しみください。

浮舟 / 金光酒造

「浮舟」は源氏物語最後のヒロイン。幾度となく揺らぎ、傷つきますが、出家し芯の強い女性に成長します。物語では「なまめかしく心まどふ人」(優美で心惑う人)と表現された女性です。
ふわり浮かぶ甘味旨味のあと、酸味で締まるお酒。

⑤商品の特徴

平安時代の四季に寄り添った雅な色使い。
それを令和風にブラッシュアップした色彩のラベルは、源氏物語の雅な世界観をイメージしています。
更に、十二単など高貴な女性の装束に用いられた紋様をあしらっていて雰囲気抜群!

1本でも美しく鑑賞できるデザイン…。
それぞれの登場人物を想いながら飲めば、様々な意味で味わい深いひとときになりそうですね。
また複数の瓶を一列に並べると、そこには美しいグラデーションが生まれ、見た目にも鮮やかです。

★「ひかる」販売ページ

ひかるシリーズは海琳堂の独占販売商品です。
詳細は以下のリンクよりご覧ください。

(公式通販)
https://www.kairindo.jp/SHOP/282062/295097/list.html

★参加酒蔵の一覧

今回このプロジェクトに参加した酒蔵は、

阿武川の上流、水に恵まれた場所でお酒を醸す
岡崎酒造場 / 萩市
(銘柄:「長門峡」など)

しろうお漁で有名な姥倉運河近くで醸されるお酒
中村酒造株式会社 / 萩市
(銘柄:「宝船」など)

日本の四季とお酒の関係を大切に醸す
はつもみぢ / 周南市
(銘柄:「はつもみぢ」など)

伝統を重視し、地に足付けた酒づくりを行う
中島屋酒造場 / 周南市
(銘柄:「カネナカ」など)

瀬戸内の豊かな気候と伝統技術、若き杜氏の感性で醸す
山縣本店 / 周南市
(銘柄:「防長鶴」など)

数々の賞を獲得する注目の復活蔵
阿武の鶴酒造 / 阿武郡
(銘柄:「三好」など)

地元の酒米「穀良都」を使う希少な酒蔵
竹内酒造場 / 防府市
(銘柄:「錦世界」など)

新酒鑑評会金賞の山猿を醸し、ワイナリーも持つ
永山酒造 / 山陽小野田市
(銘柄:「山猿」など)

奥萩の自然。女性杜氏が伝統と新たな価値観で醸す
八千代酒造 / 萩市
(銘柄:「八千代」など)

俳人山頭火の名を冠し、日常の食中酒に合うお酒を醸す
金光酒造 / 山口市
(銘柄:「山頭火」など)

錦帯橋のかかる錦川の上流、自然と伝統、手造りにこだわった
村重酒造 / 岩国市
(銘柄:「村重」など)

「和醸良酒」を信条とし、良い環境が造るよりそうお酒を製造
岩崎酒造 / 萩市
(銘柄:「長陽福娘」など)

2024/01/04 更新

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お酒が大好きなライター、アーティスト、編集者、イベンター、フードジャーナリスト、リカーショップスタッフなどなど、お酒を愛して止まない「イエノミスタ」が結成した「家飲み編集部」。それぞれの家飲みの風景や、お酒のセレクト、おつまりレシピなどをご紹介します!... もっとみる