「冷やしても燗酒でも美味」は本当だった! 「純米吟醸伝衛門」は1本2役の優れもの
わたしの家飲みスタイル株式会社GreenCreate(グリーンクリエイト)代表・飲食ライター
滝口 智子
「純米吟醸伝衛門」をお取り寄せ!
「純米吟醸伝衛門」(新潟・越後伝衛門/えちごでんえもん)は、冷やしても熱燗にしても美味しい、珍しい日本酒と聞いて気になり、お取り寄せしてみました。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2020」にて金賞を受賞した一方で、「全国燗酒コンテスト2019」でも金賞を受賞しています。本当に両方の温度帯で楽しめるのでしょうか?
冷やすとおだやかな吟醸香、甘味とろり
まずは冷やしたものをワイングラスで。おだやかな吟醸香が漂っています。やさしいフローラルブーケや、綿あめのような甘い香り。ボトルのラベルが渋い感じの毛筆体だったので、もっとどっしりと重い酒をイメージしていたのですが、意外にも軽やかな印象で少し驚きました。
口に含むとまろやかな舌触りで、とろりと甘味が広がります。一口目から「これはおいしい!」と喜んでしまう数少ないお酒! すぐに「ワイングラスで金賞受賞」に納得がいきました。味わいの後半は旨味と酸味がバランス良く広がり、ほどよいボディ感。ちなみに精米歩合は60%で新潟県産米を使用です。
まずは定番「ほうれん草のお浸し」で軽やかに・さっぱりと
まずはライト・テイストとのペアリングから。お酒は味も香りもクセがなく、どんなお料理とも合いそうです。ストライクゾーンが広そうな味わいなので、まずは「ほうれん草とパプリカのお浸し」に合わせてみました。かつお節の旨味と、お酒の甘味が好相性でさっぱりと美味しい! 少し時間が経ってお酒が温まってくると、後半の旨味に余韻が出てきます。そこで2品目はニンニクを効かせた豚肉と豆苗炒めに合わせてみました。ちなみにアルコール度数は15.5%だそう。
肉の濃厚な旨みに負けない!どっしり純米
ガーリック風味の効いた豚肉の濃厚な味に、しっかりとお酒の旨味が寄り添い、どんどん止まらなくなる美味しさ。しかもほどよい酸味で後半がキレるので、油分をさっと流してくれ、食べ飽きない、飲み飽きない。これは美味しい!
新潟は淡麗辛口というイメージを持たれている人もいるかもしれませんが、このお酒はキンキンに冷やすと確かにそういった印象もありますが、温度が上がれば酒の旨味の存在感もしっかり発揮。だからいろんな温度帯で、軽・淡・重いろんなお料理に合うんですね!
熱燗にすれば、ネギやパクチーなどの香味野菜にも合う!
もちろん熱燗にもしてみました! 旨味や香りがまろやかになり、後半の余韻がグンと深くなり、どっしりと米の旨味が顔を覗かせます。これはもう何でも合うでしょう! 例えば牛すじ煮込みや焼き鳥、うなぎ、卵料理、魚介のバターソテーなどなど。私は山形の郷土料理・芋煮を合わせてみましたが、和風だしとの相性が特にいいと感じました。
さらに鶏肉唐揚げにも合いました。このお酒の面白いところは、ネギやパクチー、大葉など風味にクセがある野菜とも合うところ。熱燗にすると後味にわずかな苦味も出てきて、より骨格がしっかりした印象になるので、中華の油淋鶏(ユーリンチー)のような料理でも、負けないでお付き合いできるお酒。かなりおりこうさんです。
冷やしても、熱燗にしても酒が進むので、いつもよりも早くお酒がなくなります。酒好きな方は2本まとめて購入して、冷酒用と熱燗用にしてもいいかなと思いました。料理とのペアリングに迷った時こそ、こういう汎用性の高い酒は助かりますね。最後に1点だけ気をつけたいことは、ラベルがはがれやすい点。ちょっと厚めのしっかりした紙で作られたラベルなので、水滴などを吸収しやく、白いラベルに色がにじんだりしやすいです。もしお酒をSNS投稿されるのであれば、最初に撮影されるといいかもです!
今日も美味しかった!バンザ〜イ!乾杯!
WRITERこの記事を書いた人
株式会社GreenCreate(グリーンクリエイト)代表・飲食ライター
滝口 智子
飲食企業や飲食系メーカーなどのPR企画、リリース制作や配信、レセプション・試食会を開催。台湾やオーストラリア、マレーシア、ベトナムなど、海外でも現地メディアへのPR活動を実施している。国際きき酒師として、外国人向け日本酒ペアリングビジネスも仲間と実施。
ライターとしては日経グルメクラブで「世界で急増!日本... もっとみる
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