「無濾過生原酒」ってなに? おいしいの?【解説】

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「無濾過生原酒」ってなに? おいしいの?【解説】
家飲み編集部

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日本酒を色々見ていると、ラベルなどに「無濾過生原酒」と書いてあるものがあります。
日本酒好きの方なら、必ず一度は目にし、ほとんどの方が飲んだこともあるお酒です。

でも、日本酒以外では「無濾過生原酒」って聞かないですよね?

今回はこの、日本酒にとっておまじないのような言葉
「無濾過生原酒」
について解説します!

●無濾過(むろか)とは?

まず、「無濾過」について。

日本酒には、必ず「濾す(こす)」という工程が入ります。
逆に言えば、この工程がないと日本酒と名乗れません。


「濾す」とは、お米の成分が残ったままのドロドロで白い「もろみ」を、「酒粕」と「液体」に分ける作業です。
※濾してないお酒がいわゆる「どぶろく」です

しかし、濾した液体にも、除き切れない細かな「澱」が含まれています。
そこで通常は更に「濾過」という工程が入り、私たちが良く知る透明な日本酒になります。

しかし、わざとこの「濾過」をしないことで複雑な味わいを残したお酒が「無濾過」と言われます。

●生原酒とは?

「生原酒」は、二つの言葉に分かれます。

「生」と、「原酒」です。

「生」とは、生酒のこと。
品質を安定させるために通常2度施される加熱殺菌「火入れ」を全く行わず、発酵が進む活性状態のフレッシュでピチピチした酒質を残します。

「原酒」は、加水をしないこと。
日本酒は通常、工程の最終段階において、濃度やアルコール度数を調整するために加水します。
その加水をせずに、そのまま瓶詰されたものを「原酒」と言います。

●火入れより無濾過生原酒の方が良い?

このように、無濾過生原酒は、クリアで安定したお酒に仕上げる工程を省きます。

日本人は食品に対して「生」や、なるべく手を加えていないものを良いと思う傾向がありますが、「濾過」も「加水」も「火入れ」も、日本酒の品質を向上させるために考案された酒蔵さんの技術。

荒々しく濃醇な味わいが必ずしも自分に合うとは限らず、また、火入れの定番品と比べて「良い物」というわけでもありません。

●無濾過生原酒の魅力

一方で、上質な無濾過生原酒に仕上げるのも高い技術が必要であり、その魅力は否定できません。

やんちゃでワイルドな無濾過生原酒ですが、それだけに扱いが難しく、面白みがあり、愛好家が多くいらっしゃいます。

特に、開栓から日に日に変化する味わいは一つの楽しみであり、徐々に落ち着いて旨味の乗ってくるような変化のなかで、最高の味わいに当たると嬉しくなります。

パンチがあり濃厚なお酒が多いのも特徴なので、ロックや炭酸割りなどで楽しめるお酒もたくさんあります。

●無濾過生原酒が買えるSHOP

SakeShop海琳堂でも無濾過生原酒の日本酒を扱っています。

https://www.kairindo.jp/

※「無濾過生原酒」で検索ください

https://ienomi.tokyo/column/murokanama/

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お酒が大好きなライター、アーティスト、編集者、イベンター、フードジャーナリスト、リカーショップスタッフなどなど、お酒を愛して止まない「イエノミスタ」が結成した「家飲み編集部」。それぞれの家飲みの風景や、お酒のセレクト、おつまりレシピなどをご紹介します!... もっとみる