エディター
家飲み編集部
「杜氏(とうじ・とじ)」
は、日本酒好きの方ならお馴染みの言葉です。
「杜氏さん」といえば、簡単に言えばその蔵における日本酒の製造責任者のこと。
お酒の味を決めるという意味では、時にはオーナー(蔵元)さん以上に、その蔵の将来を左右しかねません。
現在では杜氏制度を取らない酒蔵も出て来ていますが、まだまだ日本酒業界の中心的存在。
杜氏さんの力量次第でその蔵にファンが付いたり離れたりもする、非常にシビアでありながら花形の職業です。
昭和7年生まれ。杜氏の家系に育ち、16歳の時に酒の道に足を踏み入れ、2023年現在もなお現役の杜氏さんがいます。
「伝説の杜氏」「日本酒の神様」など、様々な異名を持つ「農口尚彦(のぐちなおひこ)杜氏」です。
今回はこの、農口尚彦杜氏最後の蔵と言われている『農口尚彦研究所(のぐちなおひこけんきゅうしょ)』について紹介します。
●農口尚彦杜氏について
農口尚彦さんは「日本四大杜氏」と言われる石川県の『能登杜氏』。
さらにその中でも『能登杜氏四天王の一人』と言われています。
2023年の現在90歳を迎えており、なんと現役で杜氏を担っておられます。
その長いキャリアの中で、日本酒鑑評会の最高峰「全国新酒鑑評会」で連続12回を含む通算27回の金賞を受賞、卓越した技能者(現代の名工)の表彰、黄綬褒章受章など、圧倒的な実績を収めています。
また、メディアにも取り上げられ、一般にも認知されるようになりました。
日本酒を知り尽くしている農口尚彦さんですが、なんとご本人はお酒が飲めないことでも有名です。
だからこそ「酔う」ことよりも「旨さ」を追求されているのかもしれません。
●農口尚彦研究所
そんな農口尚彦杜氏の技術や魂を若い蔵人に継承すべく、2017年にスタートしたのが『農口尚彦研究所』です。
「研究所」というのは、若い世代が農口杜氏の酒造りを研究する意図があり、名付けられた経緯があるようです。
農口杜氏自体は何度か杜氏を引退され、都度カムバックしてこられました。
2017年に85歳で現役復帰。「引退をあきらめた」という覚悟(?)で、現在も「農口尚彦研究所」にて現役を続行していらっしゃいます。
●商品について
農口尚彦研究所の主なラインナップは、本醸造、純米、山廃vintageシリーズ。それに、期間ごとの限定商品があります。
その多くは能登の流儀に従い、辛口の濃醇な日本酒となっています。
*本醸造、純米は、そのタイトルこそシンプルで何気ない物ですが、飲んでみるとアッと驚く味わい。
力強い味わいにスッキリとした後味が、美味しいだけではなく不思議な感覚に見舞われます。
*山廃のvintageシリーズも、劣らず濃醇な味わいではありますが、伝統の山廃造りがみせるコントロールされた酸味、そこに甘み旨味、そして熟成による味のまとまりが美しいとさえ思えるシリーズです。
他にも、蔵の地元の名前を冠したテロワールのお酒「観音下(かながそ)」など、自然を味わえる日本酒らしい魅力的なお酒があります。
その全ての酒瓶に施された特徴的なラベルロゴは、農口杜氏の「の」と、日本酒のお猪口の底に描かれる模様「蛇の目」をデザインしたものだそうです。
●TOPIX
・2018年からは毎年のようにANAの機内酒に選定され、その安定したレベルの高さの証明の一つとなっています。
・民法、NHKで農口尚彦杜氏の特集が組まれ、日本酒好きの方は勿論、一般にもその存在が知られる機会となりました。
・2023年よりスタートした十三代目市川團十郎白猿襲名披露巡業では、農口尚彦研究所が数少ないオフィシャルパートナーの一社として名を連ねています。
●農口尚彦研究所のお酒のご購入
SakeShop海琳堂では、農口尚彦研究所のお酒を販売しています。
実店舗での在庫共有などにより品切れとなっている場合がございます。何卒ご了承ください。
*通販サイト*
*実店舗*
・Sake Shop 海琳堂 ガレージ店
〒135-0033 東京都江東区深川2丁目12−1 大野屋深川ビル 1階(臨時休業中)
・深川醗酵所
〒135-0048 東京都江東区門前仲町2丁目6−2
●SakeShop海琳堂より
SakeShop海琳堂では、
美味しいお酒、珍しいお酒、話題のお酒、可愛いお酒、受賞酒などなど、
誰もが楽しく選べる、日本酒をはじめとする上質なお酒を販売しています。
東京都江東区に実店舗(小売り、飲食)を持ち、
蔵元さんをお呼びして、イベントも度々開催しています。
日本酒はマニアだけのものではなく、
気軽にジャケ買いして、飲んで、楽しむものだと思っています。
また、ギフト・プレゼントにも向いている、みなさまに寄り添ったお酒であると感じています。
これからも色々な日本酒、日本ワイン、梅酒、リキュールなどをご紹介します。
「SakeShop海琳堂」を
どうぞよろしくお願いいたします。
WRITERこの記事を書いた人
エディター
家飲み編集部
お酒が大好きなライター、アーティスト、編集者、イベンター、フードジャーナリスト、リカーショップスタッフなどなど、お酒を愛して止まない「イエノミスタ」が結成した「家飲み編集部」。それぞれの家飲みの風景や、お酒のセレクト、おつまりレシピなどをご紹介します!... もっとみる
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