「家飲みにおすすめの日本酒は、この1本」(帝松 純米吟醸 霜里)

わたしの家飲みスタイル 今夜のおつまみ 飲んでみた!おすすめ日本酒レポート
「家飲みにおすすめの日本酒は、この1本」(帝松 純米吟醸 霜里)
野口 万紀子

株式会社 5 TOKYO 代表取締役/きき酒師/文化プロデューサー

野口 万紀子

◆魔法の硬水!超硬水の日本酒

埼玉県小川町に蔵を構える松岡醸造さんは、イケメン蔵元で有名な松岡翔さんの熱意と営業力による日本酒づくりが話題となっている人気蔵元さんです。業界では有名人の彼ですが、今ではすっかり蔵の顔となっていて、彼に会うために日本酒ビギナーのお客さんも遠方から続々と足を運ぶ人気蔵元さんなんです!松岡醸造さんを訪れたのは2年ほど前になるのですが、蔵内には創業時代からの歴史的な施設が残されていて、最新のテクノロジーと受け継がれてきた酒造りのマインドの両方を感じたのを覚えています。
 
小川町は古くから酒造りの地として認知されてきた場所で、秩父山で濾過された良質の天然水が採取できることでも有名です。今でも蔵内で地下130mのところから水を汲み上げ、それを仕込み水として使用しています。このお水はの本国内の中でもトップクラスの硬水。ミネラル分が非常に多く、それでいて味わってみると柔らかみのあるとっても不思議なお水。この魔法のお水が松岡醸造さんの美味しい日本酒造りの秘訣でもあると私は思っています。

◆無農薬にこだわったフェミニンな限定酒

埼玉県小川町の中でも下里は有機の里として有名。「帝松 純米吟醸 霜里」は、化学肥料や除草剤、害虫駆除剤などの農薬をいっさい使わずに育てた地元のお米を使った日本酒です。日本酒の多くは、その土地のお米を使っていないことも多く、このようにお米農家さんと連携して本当の意味での地酒を実現しているのは、若手酒蔵さんならではのパワーとこだわり。こういうお酒は是非飲んでみたいって思ってしまいます。

お米の旨みが感じられ軽すぎず、それでいてスルスルと口当たりのいい飲み口!最新の低温発酵タンクを使ったキッチリとした温度管理のもとにじっくりと低温発酵させて造られていて、気品のある吟醸感がすごく気に入りました!

◆一杯目のビールはやめてロックで!

日本酒を家飲みするとなると、できるだけ簡単に手間のかからない飲み方をしたいですよね。日本酒は温度帯が重要と言いますが、実際にはお燗をしたり繊細な温度調整はなかなか素人だと難しいところではあります。

普段外飲みでは、一杯目はビールの私ですが、家飲みだと最初から日本酒にいくことも。この「帝松 純米吟醸 霜里」は比較的、燗よりは冷やか常温が美味しそうだと感じたので、一杯目は氷を入れてロック風にしていただきます。はじめから日本酒は重いな、と感じる人は是非お試しあれ!少し軽い口当たりになって飲みやすいんです。

◆ドライを際立たせる枡酒

お家飲みのいいところの一つは、お店では試せない色々な酒器で飲み比べできるところだとも思っています。日本酒の味わいを少しだけ調整したいときは、お燗にするまで手間をかけなくても、手でお猪口を包み込んでいれば、すぐに温度があたたかくなりやんわりとした味わいに変化します。ロックの後は少し常温にして飲んでみると、旨味成分の香りがより強く感じられました。

さらに物足りなくなってきて、もう少しキリリとドライに飲みたいなと思ったら、枡で飲むのがおすすめ!尖った角部分で飲むと、辛さ具合がよりしっかりと感じられるので、まるで同じお酒じゃないみたいに味の変化を楽しめちゃいます。

◆おすすめペアリング

お刺身

まずはてっぱんのお刺身と合わせます。ロックで冷やした状態と合わせるとほんとに美味しい!お刺身の甘みとお米の旨味がお口の中で融合。簡単で確実な組み合わせです。

パエリア

最近パエリアにはまっていて、ワインではなく日本酒と合わせるのがお気に入り。その組み合わせって合うの?と思うかもしれませんが、日本酒は出汁系のお料理にももってこいなんです。オイルサーディンのパエリアに常温の「帝松 純米吟醸 霜里」を合わせます。

おでん

出汁系でいうと、これからの季節に食べたくなるおでん。関西風の薄味のおでんと合わせます。こちらも温度帯を合わせて、少し常温にしてあげるとお料理との馴染みが良くなっておすすめ。

チョコミント

毎日でも食べたいくらい好きなチョコミントと日本酒のシェイク!チョコミントアイスとお好みの量の「帝松 純米吟醸 霜里」をミキサーにかけるだけ。グラスホッパーのようなカクテルになります。食後のデザートがわりにも最適!

◆最後に

いかがでしたでしょうか?松岡醸造さんのお酒は、ミネラル豊かな硬水が酵母の発酵を促進して、旨味豊かでキレが良く深みもあるので、家飲みではよくいただきます。「帝松 純米吟醸 霜里」は綺麗で真のある女性のような日本酒!!柔軟にいろいろなお食事にも合わせやすいお酒だと思うので、和食だけでなく他のお料理も合わせて試してみてください。飲み方やお料理とのペアリングも、ルールにとらわれず、自宅ならではの自由な発想で自分にぴったりの楽しみ方を見つけてみてくださいね!

https://ienomi.tokyo/column/mikadomatsu-shimosato/

WRITERこの記事を書いた人

野口 万紀子

株式会社 5 TOKYO 代表取締役/きき酒師/文化プロデューサー

野口 万紀子

東京都目黒区出身。『日本の伝統とトレンドを繋ぐ』をテーマに、徳川家の巨船や松本零士のデザイン船など豪華客船での日本酒イベントの主催や、企業向けのプロモーション企画、飲食店における日本酒コーディネート、セミナーや講演会への出演、雑誌・WEB連載の執筆などを中心に活動中。食・ファッション・アート・音楽・伝統文化など、日本文... もっとみる