

エディター
家飲み編集部
梅酒、まっこり、スイートワイン、貴醸酒…
食前食後酒にも人気の、甘くて濃厚なお酒。
でも実は、もっと身近で意外な、甘いお酒があります。
それが、
『本みりん』です!
「調味料を飲むの!?」
と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、実はみりんは江戸時代にお酒としても流通していました。
主に女性や、日本酒の苦手な方が飲まれていたようですよ。
ということで今回は、みりんの違いや豆知識、調味料としての使用法もご紹介します!
●みりんの分類
全部一緒にみえる味醂ですが、商品によって味わいが異なります。
また、その作り方からも大きく3つに分類ができます。
・みりん風調味料
アルコールが含まれないので気軽に使える、みりん風の調味料です。
・本みりん
もち米を発酵させて作った調味料で、アルコールを含みます。
・純米本みりん
本みりんの中でも、糖類を添加せずに自然な甘味だけで醸した本味醂です。
最も手間暇がかかっており、お米由来のエキス分がふんだんに含まれます。
普段お料理をされない方は、みりん風調味料と本みりんの違いも分からないこともあるのではないでしょうか(私がそうだったので…)。
逆に純米の本みりんを使ったことがある方は少ないかもしれません。
成分表示に糖類の表記がなく、「もち米、米こうじ、焼酎(もしくは醸造アルコール)」だけの物を指します。
純米本みりんは甘味だけでなく、アミノ酸由来の旨味成分がたっぷり入っており、自然な甘さで尚且つ旨味が濃いのが特徴です。

●みりんの基本的な製造方法
ところでみりんって、どのように出来るのでしょうか?
製法は以下の通りです。
“味醂の基本的な製法は、蒸したもち米に米麹を混ぜ、焼酎または醸造アルコールを加えて[注 1]、60日間ほど室温近辺で熟成した物を、圧搾し、濾過する手順を踏む。”
引用:wikipedia
造り方の似ている日本酒と違う部分は、
・原料が基本的にもち米であること
・必ず焼酎または醸造アルコールが加えられていること
・必ず60日ほど常温で熟成していること
です。
そして物によっては
・糖類の添加
もされています。
お米はあまり削らず、通常80%以上の精米歩合となっています。
濃厚な味はこの辺から来ているんでしょうね。
ちなみにみりん風調味料は、アルコールがほとんど含まれないことで酒税がかからず、安価。お料理に使いやすい調味料です。
その分、塩分の含まれる醸造調味料や、糖分、風味調整の成分などを添加しています。
●みりんの意外な楽しみ方
本みりんは、そのまま飲むだけではなく、様々な形でその真価を発揮します。
その一部をご紹介します。
・ほんなおし
栄養満点の本みりんは、古くから滋養強壮や暑気払いの為にも飲まれてきました。
「本直し(ほんなおし)」と呼ばれるレシピは、味醂を焼酎で割るなかなかパンチのあるカクテルです。
みりんの濃厚で甘い味が、焼酎のクリアな味わいで整えられ、飲みやすくなっています。
・お屠蘇
関西でお正月に飲まれるお屠蘇(おとそ)は、みりんに生薬を漬け込んだものをいいます。
おとそはお屠蘇は日本酒でも作られるそうですが、生薬である「屠蘇散」には山椒や桔梗など、癖のあるハーブが含まれているので、みりんのほうが味わいのバランスが取れて飲みやすいという方が多いそうです。
・みりんハイボール
みりんを炭酸で割り、ハイボールにすると爽やかに飲むことができます。
優しい甘みで炭酸の刺激。レモンを添えると風味も更に向上して美味しいです。
お手軽で
・アイスにかけて
本みりんは濃厚な甘味が特徴。意外なところでこれにマッチするのが「アイスにかける」方法だそうです。
特にバニラアイスだと、はちみつのような濃厚さと、カラメルのような風味で、どこかハニートーストのような雰囲気も…!
他にも、ミルクで割ったり、ラーメンに入れたりと活用法は豊富。
ただしアルコールが含まれるので、お子さんやお酒を飲めない方は予めアルコールを飛ばしておくことをお勧めします。
*みりんのアルコールを飛ばす方法(100mlを想定)
「煮切り」みりんをお鍋で火にかけ、沸騰してから1分~1分半を目安に煮る
「電子レンジ」広めの器でラップをせずに電子レンジで加熱。500w 60~70秒が目安
少しの間沸騰させることで、アルコールを飛ばします。

●もちろんお料理にも!
本みりんはお料理において、臭み消し、味を浸透させる、照りを付ける、自然な甘味を加え旨味を引きだすなど、様々な効果があります。
そして「煮物」や「照り焼」きが、みりんで思い浮かぶ代表的なお料理かもしれませんが、少し甘味やコクを加えたいときなど、手軽に使うことの出来る調味料でもあります。
普段のみりんを「純米本みりん」に買えただけで、お料理の味わいが変わります。しばらくして普段使っていたみりんに戻すと、どこか物足りなさを感じてしまう魔性の調味料です。
手造りのみりん蔵が製造する無添加本みりん
名古屋でみりん製造を中心に行う、正真正銘の小さなみりん蔵。
『戸田本みりん』は、エキス分(アミノ酸などの栄養成分)が高く、全国に根強いファンを抱えています。
酵素も添加していない完全無添加で生産しており、大正6年から続く古き良きみりんの味わいを継承しています。

由緒正しき酒蔵が造った本みりん
豊島屋本店は、慶長元年(1596)に創業した由緒ある神田発祥の造り酒屋で、東村山市に豊島屋酒造という酒蔵を構えている都内の数少ない酒蔵のひとつです。
「天上味醂 心」は、醸造用糖類を添加せずにつくったこだわりの本みりん。
国産もち米を100%使用したプロ御用達の調味料です。

みりんレシピを試してみた(天上味醂編)
「みりんレモンソーダ」は、
みりんの甘さとレモンの酸っぱさが夏にぴったりです。純粋な甘さの砂糖と違い複雑で旨味がある味わい。炭酸で割るとより奥行きのある甘さを感じます。調べてみたら、本みりんは、もち米、米麹、アルコールをじっくりと糖化・熟成させて造るもので、熟成期間に糖類やアミノ酸などのうまみ成分がつくり出されるとのこと。納得。

「みりんコーヒーゼリー」
煮切ったみりんと砂糖で作ったものを、食べ比べしてみました。みりんの方がまぁるく上品な甘味で、甘さが口の中に残りにくいです。それからコーヒーのビター感が和らいで感じました。
どことなく「和」の雰囲気が出ます。パウンドケーキとかプリンに使ったら違った風味を楽しめそう。

「トマトのみりん漬け」
カンタン!トマトを3時間ほど漬けておくだけ。デザート感覚で食べられるフルーツトマトみたいな甘いトマトサラダが楽しめます。
この本みりんはアルコール分が14%含まれています。私はそんなに気になりませんでしたが、アルコールが気になる時は煮切ってから使うのが良さそうですね。

他にもたくさん!料理へのみりん活用法
・ご飯と炊くときに入れると艶が出る
・魚の臭み取り
・煮くずれ防止
・照りやツヤを出す
などなど。筆者は試しに 1週間 みりんを台所の目に付くところに置いてみましたが、砂糖を使う量が減ったことや、味付けが物足りない時に加えるといい感じに仕上がるな、という感想でした。甘味をつけたい時に溶かす手間がかからないのが良いです。
●SakeShop海琳堂より
SakeShop海琳堂では、
美味しいお酒、珍しいお酒、話題のお酒、可愛いお酒、受賞酒などなど、
誰もが楽しく選べる、日本酒をはじめとする上質なお酒を販売しています。
東京都江東区に実店舗(小売り、飲食)を持ち、
蔵元さんをお呼びして、イベントも度々開催しています。
日本酒はマニアだけのものではなく、
気軽にジャケ買いして、飲んで、楽しむものだと思っています。
また、ギフト・プレゼントにも向いている、みなさまに寄り添ったお酒であると感じています。
これからも色々な日本酒、日本ワイン、梅酒、リキュールなどをご紹介します。
「SakeShop海琳堂」を
どうぞよろしくお願いいたします。
2023/09/04 更新
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お酒が大好きなライター、アーティスト、編集者、イベンター、フードジャーナリスト、リカーショップスタッフなどなど、お酒を愛して止まない「イエノミスタ」が結成した「家飲み編集部」。それぞれの家飲みの風景や、お酒のセレクト、おつまりレシピなどをご紹介します!... もっとみる
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